「独角ジさん!!」
あたしの言った事が独角ジの気に触ったみたいだった。
言っちゃいけない事を言ってしまったのかもしれない。
あたしは慌てて独角ジの後を追いかけようと窓枠に飛びついて、一生懸命よじ登ろうとした。
しかしさっきは独角ジがひょいって持ち上げてここに下ろしてくれたから楽だったけど、一人で出入りしようとするとちょっと高さがあって難しい。
それでも何とか窓枠に上り、廊下に足を着こうとした時・・・大きな聞きなれた声が聞こえた。
「あーーーーっ!!」
かくれんぼのオニである李厘がたまたま通りかかり、嬉しそうにこちらを指差した。
「李厘ちゃんっっ!!」
「ちゃんみーっつけた♪」
どーんと言う音が聞こえそうな勢いで李厘ちゃんがあたしに体当たりしてきた。
「うわっっ!!」
その時のあたしの体制は丁度窓枠に腰掛けている状態で、両手は向かってくる李厘を受け止める形になっていた。
要するにあたしの体を受け止めるような壁は背中には無い状態。
で、どうなるかと言うと、あたしは自分の身長くらいの高さから地面に向かって頭から落ちる・・・と言う事になる。
どうしてこういう時に限っていっぱい色んな事考えられて、しかも動作がスローモーションで見えるんだろう。
あたしが最後に見たのは・・・ビックリして泣きだしそうになっている李厘だった。

END